● 天然乾燥と人工乾燥

昨日の空

台風は、どうなったでしょうか。
今、雨はやんでいますが、
ものすごい風が吹いています。
今日は早めに現場のほうに確認にいってきます。
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今、埼玉県の木づかいコーディネーターの研修をうけています。
その中でのお話です。
天然乾燥と人口乾燥。
いろいろな大工さんと、お話すると天然乾燥のもののほうがいいって
おっしゃる。人口乾燥をするとパサパサしていて、ねばりがなくなるって。
信頼できる方の手の経験からのそういう言葉って、
こころにすっと響くので、そうなんだ!って信じているけど、
いざ、設計者として、他の人に、説明するとき、うまくできないでいた。
埼玉県の木づかいコ-ディネ-タ-の講座で、山辺さんという構造設計をされている方が
その実験について、お話をしてくださった。
結果を言おう。
人口乾燥(特に高温)で乾燥したものは、外側の5ミリくらいは、とても硬くなる。
そして、中身がパサパサになって、内部で、ヒビがわれてしまう。内部の繊維を切ってしまっているらしい。
(外からみて、割れていないので、中が割れていても、性質を知らない人には、いい木ですねって
評価されてしまうことが多いそうです。。。)
そして、天然乾燥をしたものは、外側にヒビがはいる。
けれど、中身にははいらない。中の繊維がきれないので、地震などで一度きれても次ので、もってと
ねばりがでるそうです。(外からはいっているのをみるとやはり性質を知らない人には、悪い木ですねって 評価されてしまうことがあるです。)
ちなみに、背割りというのは、先にヒビをいれて、他をわれなくするためで、それによる強度の劣化はないそうです。それも、数値としてみせてくださいました。
木の継ぎ手、仕口は、木材の中心部をつかってつくられる。
だからこそ、外からみて、ヒビがなくても、中央がもろい、高温での人口乾燥のものは、
単体での数値は高くても、実際に、組んで、実験してみるともろい数値がでているそうです。
そして、なお、プレカットでの強度への不安もおっしゃていました。
プレカットの強度試験では、曲げ、めりこみ耐力で測られる。そうすると高い強度がでる。
でも、実験すると壊れてしまう。
どこかに理由があるのでは?と調べたところ、受けるほうの材が壊れてしまうそうです。
数値としてだされることのない受けるほうの材の破断。
それは、材をうける材のせいがたりないことが理由にあるそうです。
受けるほうの材は、ひとまわり、(1寸)は大きくみてと、大工さんたちに
教えていただきましたが、
それって、実験の結果でも、ちょうど加工している穴部分から2寸(受かる材の下端に1寸あるので、受けるほうの材がそれより1寸あれば)強度がでるという結果になったそうです。
今のプレカットの場合、経験や、知識がないまま(現場での声を聞かず、見えてくる強度だけで。。実験ではこわれやすいかった受け材の破断は考慮されないまま)加工しているため不安な構造が多くみられるそうでした。
それにしても、大工さんの経験の数値ってすごいなぁ。
改めて、思うとともに、これで、感覚だけでなく、設計者として説明できると思って、
ちょっとほっとしました。
山辺さんのお話、他にもおもしろくて、大工塾などされているそうなので、
設計者の参加もOKなら行ってみたいって思いました。

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