遠山記念館 中村外二工務店さんのお話

2014.0510
遠山記念館で行われた
数寄屋建築で有名な
中村外二工務店さんの代中村義明さんのお話をお聞きしました。
忘れないうちにメモしてみました。
・南の庭は間違い→禅の庭のように自己完結していればよいが、花などは太陽のほうを向いて咲くので、葉裏をみることになる。それよりも北庭に食堂をもっていき、朝日の反射で明るくするほうが気持ちいい。
・建物と庭は一体
・日本の木造建築は、浮いているようにつくる。
 座って、住まい手の視線で。窓の位置などで錯覚を起こす。上まである大きい窓は錯覚を起こせない
 下に窓・・浮いたかんじ
・草木にも土にも命があるという日本の思想から生まれた家 木の命をいただきます。
・障子 清らかさ 紙の大きさから決まった。縦桟が太くなれば、両脇は細くてすむのに太いままだと野暮ったい
・京都には木割りがある 肥満もやせすぎも野暮ったい
・床の間の深さで格をつける。高い掛け軸にあう床があある。落としがけの高さをさげると深くなる
・植木屋さんはうそが上手 日本の絵巻もののような遠近法(展開していく)で奥行きをつくる。
・飛び石には山の石、川の石を混ぜてつかい、陰影をつける(打ち水をすると山の石は水に濡れ、川の石は乾く)
・飛び石はわたり6分(機能)けいき4分(デザイン)
・もののととのうはあしきこと。
・日本の強みは小さきことにある。
・台所の天井を高くすることで匂いを他にまわさない。
・建築はどこかぬけていなければダメ。住まい手がつかれてしまう。
・色紙窓 風呂先窓 機能美 椿の花が植えてあることて、4時半頃夕日をあびて、ピンク色の虹がでる
・玄関の踏板 欅 冷たいことで緊張感・・五感を大切にする、リズムが生まれる
・日本の図面 筆で書くべき もしくは6Bの鉛筆
・赤木、黒木、白木、青木をつかうことでリズムをつくる
・栗はあばれるのでなぐる。やわらかいので気泡を含みあたたかい。
・風呂はまき
 ヒノキは汚れやすい 青森ヒバのほうがよいが匂いがきつい
・トイレにクス
・茶室の水屋は天井を高くすることで匂いをまわさない。
・茶室の床の天井を高くしないとよい掛け軸がかけられない。7尺8寸は必要
・床暖房と空調両方入れると湿度が低すぎて体に悪い
・建物には、施主の力がでる。 建てぬしがよければよいものになる。
遠山邸 和室
京都の大工さんとのちがい
・あまりない。京都の建物といってもおかしくない。
・気仙大工がつくっている。
・柱が太い(場所よりも時代的なもの 大正の大工がつくっている 大正3寸5分 明治 3寸2分)
・若い大工がつくっているとはじめてみたときおっしゃった。 実際、44歳~47歳のときにつくられた。力強さと上品さという相反するものが必要
・床の面皮が小さい(京都では面皮を大きくするために斜めにとる)
・京都ではありかべが大きいのを好まない この部屋は欄間で大きいありかべを逃げている(上手く処理している)
・建具は京都の大工がつくったのではないか。
・壁の厚みは大切 京都55
・畳 京都55関東60 炉の厚みがちがう
・畳 京畳の寸法で茶道具がつくられいる 点前座ざけでも京畳をいれる
お茶室は建具にRの面取りをしない
職人さんのお話は本当におもしろいですね。
あっという間にすぎてしまいました。