今でも、だるま窯で瓦を焚いている五十嵐さんが
いらしてくださった。
五十嵐さんの作られる瓦は美しい
火や風って
留めることができないけれど
できたら
達磨窯で焼いた瓦のような色になるのかなぁと思います。
そして呼吸する素材です。
現代の瓦を水につけてもさっと乾くことはないけれど
五十嵐さんの瓦は水につけるとさっと乾く
土からできたものだというものが伝わってくるそんな瓦です。
イランや南欧から来られた方がいぶし瓦と漆喰の家を見て祖国の家みたいと言われることが度々ある。
不思議に思っていたのですが
瓦はイランのほうから生まれシルクロードを通って日本にきたものだと
五十嵐さんがおっしゃっていた。
だから不思議でないと。
台湾にも達磨窯があったそうです。
スペインの瓦はふとももを型にした形だとか。
すごいですね。

鶴川

写真1枚目は、これから鎌倉建長寺で使用されるという敷瓦。
写真2枚目は 玄米食事処 やましたさんの屋根・・緑に囲まれて屋根だけがみえるそんな平屋の建物もいいですね。

うなぎの柏屋さんの壁。
五十嵐さんの瓦と左官屋さんのコラボです。

その瓦を天日にほし、
だるま釜で一晩かけて焚いていかれるのです。
瓦は重たいので地元の土で地元で焼かれていました。
三州瓦は有名ですが、
あたたかいこの場所の土、その場所で使う分には、
よいものだったらしいのですが、
関東で使うには凍てしまったそうです。
そのために、凍らないように
高温で焼く それが今の既製品の瓦のようです。
高温で焼くと凍害にあいにくい利点があるのですが、
瓦の持っている本来の力。
呼吸するチカラが失われてしまいます。
写真3枚目は、
瓦を水につけたところ。
五十嵐さんが手にもった瓦がみるみるうちに乾いていくのがわかるでしょうか?
高温で焼いた瓦は先に水につけたにもかかわらず、
水がたまっているのがわかるでしょうか。。
藤岡の土は粒子があらく、
あたたかい場所の土よりも元々が凍害に強い土で、
それを生かして今もだるま釜で焚くことによって
この呼吸するよさを生かしているのです。

共和建材 五十嵐さん

2014.0603
久しぶりに共和建材の五十嵐さんのところにお伺いいたしました。
五十嵐さんは今でも、瓦に適した藤岡土で、1枚1枚整形して、
だるま釜で瓦を焚いてつくっています。
写真は瓦を整形している様子です。
無駄のない美しい技に何度みても、感激します。
焼き上がりをイメージし、瓦に反りむくりを入れていかれます。
長い間をかけての技ですね。
それを支える道具たち。
指の形に変形されていました。
すごいですね。

写真2枚目は型紙です。
お寺の屋根の上にのるものですが、地面の上でみると本当に大きいですね。
昔は設計者自身がこういう図面をつくってきた・・とおっしゃられていました。
今は会話をしていても最低限の言葉も知らないと。。
この図面、山口さん自ら書かれているそうです。
鬼師といってもつくるだけでなく、
構造も法規もデザインも知らないとだめなんだそうです。
土についても話されていました。
藤岡の土は瓦に適しており、粒子が粗いので
空気分を含み、断熱性にとみ、
また三州などあたたかい場所の土よりも
寒さに強いそうです。
つくっている途中の鬼瓦があったのですが、
掘って20日。
でもそのあとの乾燥がむずかしいとおっしゃっていました。
仕上げてなんぼ。
20日間かけても、
乾燥でひびがはいれば、
1円にもならない。
富岡製紙の鬼瓦、
明治のものは、1箇所しかないそうですが、
その復刻のためのお仕事もされているそうです。
波間に見える日の出の鬼瓦。
鬼は家を守るものだったとおっしゃられていました。
写真3枚目は戦争の焼け跡からでてきた
瓦の貯金箱とおっしゃられていました。
忙しい中お時間をさいてくださりありがとうございました。
背筋がちゃんとする
そんな時間でした。

鬼師 山口さん

藤岡の鬼師 山口さんの工房にお伺いしました。
鬼師とは、鬼瓦をつくられる職人さんです。
今では関東で2,3人、
そして全国的にみても
石膏型ではなく、手加工でつくられるのは数少なくなってしまったそうです。
写真はその道具です。
節のあるすすだけで彫ったり、
鋳物のヘラで磨いたりしてつくられるそうです。
先代のものすごいヘラをつかっても、
自分の技術がおいつかない。
道具は、自分でつくって自分のものにしていくとおっしゃられていました。
鋳物のへら、片面は平らで片面は楕円でできているそうです。
そして、短いものは、もともとは、2.3倍の長さがあったそうで、
つかいこんでいくうちにこんな長さになったそうです。
道具自身もちからがありました。

●2010 小川伝統工芸館

小川町の伝統工芸館で、7/4まで
屋根耐震施工&瓦造形展が行われていました。
そのときの写真です。
上から
炎の瓦  達磨釜 五十嵐さん
川越の蔵の瓦(1枚1枚こすって黒い部分をみせているそうです)  深谷 新井さん
鬼師 富岡さん(お父様)の瓦