●真鍮

真鍮には苦い思い出がある。
真鍮のドアノブが汚いから綺麗にしてくれと言われ。
問い合わせをしたところ、
まともに相手にしていただけなくて、
市販品のもので探してみたらと言われ、
しょうがないので、真鍮の板を買ってきて、
実験的に、少しずつ、磨いてみたという経緯がある。
どういうことかというと、
真鍮は、もともとは金色。
自然素材の中で浮いてしまうようなピカピカの色で。
経年変化によって、当初のピカピカでなく、
とってもいい色になっていく。
私は、経年変化した色が好きなのですが、
木などと一緒で、
それをよしとするか、きらいとするかは、人によるときがある。
今から思えば、経年変化した色はよいけれど、
水廻りで、経年変化の仕方が汚いので、綺麗にしてくれ!ということだったと思うのですが。
その意味が分からないで、
真鍮の経年変化を美として、大切にしているところに
それを汚いといわれたことを伝えて、問い合わせてしまったので、
教えていただけなかったんだろうな。。
と思う。
私自身の知識がなく、相手の立場がわからなかったことが
理由だったんだなぁと。
後からわかることってある。
先日、教えていただけなかったお店に行ったとき、
メンテナンス用品も売っていたので、聞いてみたのです。
真鍮の経年変化が大好きなんですけれどと前置きした後、
メンテナンス用品が売っていることについて。。
指輪などで、傷をつけてしまって、
経年変化がよくないと思ったとき、
一度、新品のピカピカした金色の状態に戻して、
再び、経年変化を楽しめるんですよ。。
とのこと。
真鍮も、また面白い素材ですね。
真鍮の仕上げでも、
素の金色のままのもの。
金色のまま、経年変化を遅らせるためにワックスをかけたもの。
当初のピカピカが嫌だという方のために、色付けしたもの(こちらも時間と共に色が変わります。。)
などいろいろありました。
お施主さんに、経年変化した色あいをつたえられるといいなぁと思い
ちっちゃいものをひとつ、購入してきました。
ワックス仕上げをしたものは経年変化に2〜3年かかるそうですが、
仕上げをしていないものは、半年から、1年くらいで変化していくそうです。
楽しみですね。