●引手

遠山記念館に行ったとき、
建具の引き手の位置を意識的に測って見ました。
79cm
77.5cm。
67cm
等など、
同じだと思っていたのに、
少しずつ、違うということが分かりました。
ボランティアの方とお話をしていたとき、
どういう場所が低くて、
どういう場所が高かったのですか?
という質問があって。
考えてみたのです。
平均的には、77.5cmくらい。
水廻りは、高め。
外につながる部屋は低め。
障子は低め。
そんな傾向があるようにかんじました。
そして、その中にも、
引き手の形状によって違う。
たぶん。
例えば、上部が深いものであったら、上部に指がかかるので、低めに。
真ん中が深いものであったら、中心で測っているように。
また引き手の大きさ、カタチ(例えば、縦長のものや、円いもの)
によっても少しずつ違うように思いました。
ひとつひとつのことが、
人の動作や、生活、空間、
などたくさんの要素によって決められている。
そう思いました。
答えはひとつではない。
教科書的に、
何cmと選択するのではなく、
とっても、真剣に
つくられている。
木や素材、技術もそうですが、
設計自体も、昔の建物って勉強になりますね。