●大津磨き講習会

どんよりひからす
どんよりということばは、どちらかというと
よくないイメージで語られることが多い。
でも、この言葉を京都の職人さんからお聞きしたとき、
なんだか、すごくきれいなイメージがした。
大津磨きという壁がある。
現代大津という壁がある。
どうやってつくるのか違いも全くわからないまま
講習会でみせていただいた。
(説明できるほど理解できなかったので、知りたい方は、
左官屋さんに聞いてください!)
大津磨きは、石灰と粘土を2:8の割合で
雑巾もどしという工程をした後、磨いて光らせていて、
現代大津のほうは石灰を弗化させて、クリーム状にしたものを使用し、5:5の割合で
雑巾もどしという工程をもたずに、磨いてひからせていた。
この石灰の割合が少ない
大津磨きはよくみると、下地のスサなどのふわっとしたようすを現している。
この奥ゆかしいひかりはとっても美しいけれど、
どんよりとしたひかりを保つには、手入れが必要だとおしゃっていた。
手入れは2、3番茶で雑巾をしぼり拭いていくこと。
ほうじ茶のほうがよいけれど、
緑茶でもいいとおしゃっていた。
お店などでしたら、その手入れもできるけれど、
毎日拭くということが今の生活でできる
それに対して、並べてみると
現代大津のほうがひかっているかんじがした。
大げさにいえば、前者が曇り日の光だとしたら、晴れの日の光の違いみたいに。
石灰が多いと堅くなるそうで、こちらは手入れの手間の少なくてすむ壁となり、
施工時間も短かったです。
石灰を弗化したものを使用しているので、co2などに対してはこちらのほうが
消石灰よりも、優位であるとも聞いたことがあります。
どちらも手間のとってもかかる工法で
職人さんの誇りというものを強くかんじた後で、
どちらがいいとはいえないものですが
私はどんよりとした光り方のほうが好きだなぁ。と思いつつ
現代大津の、美術をやっている方や他の職人さんのものもみているけれど、
榎本さんの光らせ方、すくも藍の現代大津などは本当にきれいなので
工法というより職人さんの手によっても、違のかなとも思いました。