● 瓦

瓦のおはなし
群馬の藤岡に今も、達磨釜という釜で、
1枚1枚手で整形された瓦を焚いている五十嵐さんという
方がおられます。
この方法でつくっている瓦は日本でただ1人に
なってしまいました。(達磨釜は4つほどあると聞いています。)
この瓦のもつなんともいえない味わいと
五十嵐さんの人柄にふれて、
この屋根を葺くことになったのですが、
ものごとにはよい面、悪い面があり、
葺く作業は大変そうです。
その瓦葺き職人さんの金子さんの作業をみせていただき、
お話を聞くことができました。
金子さんは社寺のお仕事をされているNさん(5重の塔などのお仕事もされていて、
浅草にある瓦ストリートなどのお仕事もされています。)のもとで働き、
Nさんとのお仕事をされているところを誘われて、
この瓦を葺き始められたそうです。
はじめはとまどったよとおしゃっていましたが、
でも、この瓦のなんともいえない味わいは唯一のものだよねという
言葉には愛情をかんじました。
瓦はまず、先端の一文字部分からふいていくのですが、
両端の瓦はカタチがきまっているためいじれませんが、
その他の部分は瓦のカタチの組み合わせがよいように、
あらかじめ、順番を決めて、並べていきます。
それでも、1枚1枚の瓦に個性があり
重なり方もそれぞれ違うため、
たがねやサンダーをつかいカタチを整えていくのです。
そして、瓦どうしを重ねてみて、墨出しをして、
どこを削ればよいか確認します。
それを瓦ごとに必要な部分を削って調整して、
重ねて、調整しての繰り返しです。
工業製品の瓦であれば、
瓦割りと両端がきまれば、ドンドン重ねていけるのですが、
ここでは1枚1枚、気を配ってかないとできないのですね。
その削り方も、ただ削るのでなく
瓦は、瓦と瓦がかさなる部分の口の高さがそろって、
雨が流れる逆Rの高さがそろうときれいだからと、
その部分を優先して、
さらに引っ掛ける部分はしっかりとれるように
いじらないようにして、
削られていました。
美しさの理由って、あるものなんですね。
4分ほど狂いはありました。・・
建築に携わっている方であれば、むずかしさがわかりますね。。
手間もふつうの1.5倍から2倍かかるそうです。
(でも、金額にそんな差がなく。。申し訳ないくらいです。。)
でも、この瓦のよさとして、
第一に味わいのある色を、
第二に、おおらかなカタチをあげられていました。
このおおらかなカタチというのが葺くのには大変なのですが、
金子さん言われて、瓦をみてみれば、色だけでなく、
このおおらかなカタチが瓦屋根として全体に載ったとき、
なんともいえない生きた風景になるということに気づきました。
動きつづけている波みたいにもみえました。
お話や、作業をされているようすをみて
技術がなければできない仕事ですが、
それ以上にこの瓦が好きという気持ちがなければできないお仕事だと
かんじました。
また瓦以外のことも、すごく詳しくて、びっくりしました。
(・・友人と話していたのですが、腕のよい職人さんって自分たちの仕事以外のことも
気を配われていることが多いのです)
この瓦は、ひとりでは葺けないんです。
時間だったり、下地の準備だったり、必要な構造などいろいろな面があるので、
お施主さん、大工さん、設計者などの共感があって、はじめてできるものだと
おしゃっていました。
(自然素材をつかう場合は瓦以外でもいっしょだと思うのですが、
誰にでも面倒がみられるわけではないですし、)
自分から売るものでなく
共感してくださる方に、葺いていただきたい。そういうふうにもおしゃっていました。
瓦工事は10日はお休みで、月曜日までの予定です。
共感してくださる方がいらしたら見に来てくださいね。
金子さんとお話をしていたのですが、
足場が取れたら南側道路からだけでなく、東側面もみえそうです。
うれしいですね。

Post a Comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です