その瓦を天日にほし、
だるま釜で一晩かけて焚いていかれるのです。
瓦は重たいので地元の土で地元で焼かれていました。
三州瓦は有名ですが、
あたたかいこの場所の土、その場所で使う分には、
よいものだったらしいのですが、
関東で使うには凍てしまったそうです。
そのために、凍らないように
高温で焼く それが今の既製品の瓦のようです。
高温で焼くと凍害にあいにくい利点があるのですが、
瓦の持っている本来の力。
呼吸するチカラが失われてしまいます。
写真3枚目は、
瓦を水につけたところ。
五十嵐さんが手にもった瓦がみるみるうちに乾いていくのがわかるでしょうか?
高温で焼いた瓦は先に水につけたにもかかわらず、
水がたまっているのがわかるでしょうか。。
藤岡の土は粒子があらく、
あたたかい場所の土よりも元々が凍害に強い土で、
それを生かして今もだるま釜で焚くことによって
この呼吸するよさを生かしているのです。

共和建材 五十嵐さん

2014.0603
久しぶりに共和建材の五十嵐さんのところにお伺いいたしました。
五十嵐さんは今でも、瓦に適した藤岡土で、1枚1枚整形して、
だるま釜で瓦を焚いてつくっています。
写真は瓦を整形している様子です。
無駄のない美しい技に何度みても、感激します。
焼き上がりをイメージし、瓦に反りむくりを入れていかれます。
長い間をかけての技ですね。
それを支える道具たち。
指の形に変形されていました。
すごいですね。

写真2枚目は型紙です。
お寺の屋根の上にのるものですが、地面の上でみると本当に大きいですね。
昔は設計者自身がこういう図面をつくってきた・・とおっしゃられていました。
今は会話をしていても最低限の言葉も知らないと。。
この図面、山口さん自ら書かれているそうです。
鬼師といってもつくるだけでなく、
構造も法規もデザインも知らないとだめなんだそうです。
土についても話されていました。
藤岡の土は瓦に適しており、粒子が粗いので
空気分を含み、断熱性にとみ、
また三州などあたたかい場所の土よりも
寒さに強いそうです。
つくっている途中の鬼瓦があったのですが、
掘って20日。
でもそのあとの乾燥がむずかしいとおっしゃっていました。
仕上げてなんぼ。
20日間かけても、
乾燥でひびがはいれば、
1円にもならない。
富岡製紙の鬼瓦、
明治のものは、1箇所しかないそうですが、
その復刻のためのお仕事もされているそうです。
波間に見える日の出の鬼瓦。
鬼は家を守るものだったとおっしゃられていました。
写真3枚目は戦争の焼け跡からでてきた
瓦の貯金箱とおっしゃられていました。
忙しい中お時間をさいてくださりありがとうございました。
背筋がちゃんとする
そんな時間でした。

鬼師 山口さん

藤岡の鬼師 山口さんの工房にお伺いしました。
鬼師とは、鬼瓦をつくられる職人さんです。
今では関東で2,3人、
そして全国的にみても
石膏型ではなく、手加工でつくられるのは数少なくなってしまったそうです。
写真はその道具です。
節のあるすすだけで彫ったり、
鋳物のヘラで磨いたりしてつくられるそうです。
先代のものすごいヘラをつかっても、
自分の技術がおいつかない。
道具は、自分でつくって自分のものにしていくとおっしゃられていました。
鋳物のへら、片面は平らで片面は楕円でできているそうです。
そして、短いものは、もともとは、2.3倍の長さがあったそうで、
つかいこんでいくうちにこんな長さになったそうです。
道具自身もちからがありました。

●2010 小川伝統工芸館

小川町の伝統工芸館で、7/4まで
屋根耐震施工&瓦造形展が行われていました。
そのときの写真です。
上から
炎の瓦  達磨釜 五十嵐さん
川越の蔵の瓦(1枚1枚こすって黒い部分をみせているそうです)  深谷 新井さん
鬼師 富岡さん(お父様)の瓦

●2010 小川町

上から順に瓦でつくられた植木鉢
敷き瓦(建具の模様から)
表面を鏝で磨いた瓦

●屋根の耐震施工と瓦造形展

伝統工芸館の中に展示されていたものです。
上から順に
鬼師 富岡さん(息子さん)の作品、
賞をとったとかかれていた作品
五十嵐さんのベンチ

●瓦のおはなし 

瓦のおはなし
群馬の藤岡に今も、達磨釜という釜で、
1枚1枚手で整形された瓦を焚いている五十嵐さんという
方がおられます。
この方法でつくっている瓦は日本でただ1人に
なってしまいました。(達磨釜は4つほどあると聞いています。)
この瓦のもつなんともいえない味わいと
五十嵐さんの人柄にふれて、
この屋根を葺くことになったのですが、
ものごとにはよい面、悪い面があり、
葺く作業は大変そうです。
その瓦葺き職人さんの金子さんの作業をみせていただき、
お話を聞くことができました。
金子さんは社寺のお仕事をされているNさん(5重の塔などのお仕事もされていて、
浅草にある瓦ストリートなどのお仕事もされています。)のもとで働き、
Nさんとのお仕事をされているところを誘われて、
この瓦を葺き始められたそうです。
はじめはとまどったよとおしゃっていましたが、
でも、この瓦のなんともいえない味わいは唯一のものだよねという
言葉には愛情をかんじました。
瓦はまず、先端の一文字部分からふいていくのですが、
両端の瓦はカタチがきまっているためいじれませんが、
その他の部分は瓦のカタチの組み合わせがよいように、
あらかじめ、順番を決めて、並べていきます。
それでも、1枚1枚の瓦に個性があり
重なり方もそれぞれ違うため、
たがねやサンダーをつかいカタチを整えていくのです。
そして、瓦どうしを重ねてみて、墨出しをして、
どこを削ればよいか確認します。
それを瓦ごとに必要な部分を削って調整して、
重ねて、調整しての繰り返しです。
工業製品の瓦であれば、
瓦割りと両端がきまれば、ドンドン重ねていけるのですが、
ここでは1枚1枚、気を配ってかないとできないのですね。
その削り方も、ただ削るのでなく
瓦は、瓦と瓦がかさなる部分の口の高さがそろって、
雨が流れる逆Rの高さがそろうときれいだからと、
その部分を優先して、
さらに引っ掛ける部分はしっかりとれるように
いじらないようにして、
削られていました。
美しさの理由って、あるものなんですね。
4分ほど狂いはありました。・・
建築に携わっている方であれば、むずかしさがわかりますね。。
手間もふつうの1.5倍から2倍かかるそうです。
(でも、金額にそんな差がなく。。申し訳ないくらいです。。)
でも、この瓦のよさとして、
第一に味わいのある色を、
第二に、おおらかなカタチをあげられていました。
このおおらかなカタチというのが葺くのには大変なのですが、
金子さん言われて、瓦をみてみれば、色だけでなく、
このおおらかなカタチが瓦屋根として全体に載ったとき、
なんともいえない生きた風景になるということに気づきました。
動きつづけている波みたいにもみえました。
お話や、作業をされているようすをみて
技術がなければできない仕事ですが、
それ以上にこの瓦が好きという気持ちがなければできないお仕事だと
かんじました。
また瓦以外のことも、すごく詳しくて、びっくりしました。
(・・友人と話していたのですが、腕のよい職人さんって自分たちの仕事以外のことも
気を配われていることが多いのです)
この瓦は、ひとりでは葺けないんです。
時間だったり、下地の準備だったり、必要な構造などいろいろな面があるので、
お施主さん、大工さん、設計者などの共感があって、はじめてできるものだと
おしゃっていました。
(自然素材をつかう場合は瓦以外でもいっしょだと思うのですが、
誰にでも面倒がみられるわけではないですし、)
自分から売るものでなく
共感してくださる方に、葺いていただきたい。そういうふうにもおしゃっていました。
瓦工事は10日はお休みで、月曜日までの予定です。
共感してくださる方がいらしたら見に来てくださいね。
金子さんとお話をしていたのですが、
足場が取れたら南側道路からだけでなく、東側面もみえそうです。
うれしいですね。