施主さんのご好意により、
家づくりの現場の日記をはじめます。
家づくりの流れ(現場からになりますが。)が伝わっていただければと思っています。
昨日、基礎工事がはじまった。
まずは、草刈りと、隣地との塀を建てる。
現場は、すっかり野原になっていて、
みどりでいっぱい。
現場になるまえは、
この場所は、人間の法律では、個人ものだけれど、
いろいろな雑草たちの居場所となっていた。
雑草が居れば虫もいる。
風もくる。光もはいる。
そんな命をいただいて、
家をつくる。
だから、せめて、想いをこめて、
大切につくらなければと思う。
職人さんを待つ間、施主さんのお嬢さんに渡したいって思って、
ねじばなの花をつんだ。。
小さい花のわりに、しっかり根をはっていて。
なかなかぬけない。
通りがかりの犬の散歩をしているおじさんが、
しゃべるをかしてくれた。
ねじばなには、ひとのこころをほっとさせる力があるらしい。
頼もしいかんじかしらも(基礎屋さんのこと。)
ねじばなかぁと、笑ってくれた。
夕方用事があったので、基礎屋さんにねじばなをたくし、
先に帰ったら、施主さんからメールがきていた。
子供達、喜んでいましたよ〜って。
忙しい中、ほんとうにすぐに。知らせてくださった。
ありがとうございました。
間にあってよかった。
そんなはじまりの日でした。
写真はつゆくさ。ねじばなの写真とるの忘れてしまったので。
あの土地に咲いていました

2007.06.30
家本体の工事を行うまえに、
(予算的に無理してでも、)外構の塀の基礎工事だけは、先にやったほうがいいよ。
とアドバイスをいただいて、
塀の工事を先行してやっている。
家が建ってしまうと重機がはいれなくなる。
後からだと、人力でやることになるので、手間がかかる→工費があがってしまうので
トータルにみると、先にやったほうが、予算はおさえられると思う。
現場に行くと女性の職人さんがいた。
最近、増えてきたといっても基礎屋さんでは、めずらしい。
みるととても丁寧な仕事をされていた。
(男性に比べると)力がないからなのでしょうね。
考えながら配置している。
かぶりをとるスペーサーなども先に配置
(男性だと後からいれることも、可能でしょうが、しっかり組んでしまうと、
結構重い。。)
全体をみながら、トータルに仕事をされている。
ある大工さんが、女性のほうが、
細かいから職人に向いているっておっしゃていたことが
あるけれど、この方の場合は、まさにそのとおり、
頭をつかって、丁寧に。。
帰り際、話かけてくれた。
女で現場は大変でしょう?。
昔は大変だったけど、
今はそうでもない。女の子でなく、
一人の人として対していただけるようになったからかなぁ。
女性の職人さんも、大変な時期を
通り越して、誰にもできない
自分だけの方法を生みだしていったのでしょうね。
やりやすいように、考えていっただけなのよと
おっしゃていましたが。
頭がさがります。
若い男の子たちにも、しっかり指示されていました。
格好よかったです。

2007.07.03
朝一現場に寄ると、外構の塀の型枠を組み立てているところだった。
他の現場で打ち合わせがあったので、
夕方、再び。
もう、型枠は組みおわり、コンクリート打ちが終わって養生をしているところだった。
正式な水盛り・遣り方は、6日、
大工さんと基礎やさん、共に行う。
両者と設計者の目で、確認。これが一番いいと思う。
今までも、最終的にいい仕事をされている方は、
お互いに信頼があっても、
要所要所のところは、自らの目できちんと確認していた。
あたりまえだけど、大切なところはひとまかせにしない、
両者のそういうところがいいと思う。
外部塀は、これから、養生期間をもつため、シートにきちんとかけて、
激しく乾くのをふせぐ。梅雨のこの雨が基礎にはやさしい。
そして、6日に先だって、水杭をうっていた。
こんなところにも、基礎屋さんのこだわりが。
うちは、水杭・水貫に、古木をつかっているんだとのこと。
その理由は、乾燥していること。(雨のときは、確認が必要だけでども、)
大事な部分だからとのこだわり。
そして、新規の墨と間違えないように、一本、一本残っている
墨みたいなものをカッターで落としていました。
楽しみですね。

2007.07.05
頼りになる設備やさん。
昨日は、工事はお休み。
頼りになる設備やさんのことを。
はじめての設備やさん。
施主さんの高校時代からのご友人でもある。
はじまるまえから頼りになる
そんな予感がある。
今日も、お電話があった。
大工さん、基礎やさんと打ち合わせをする前に、
建物を頭にいれておきたいんです。
設備図の他、展開、梁伏図など、
いろいろ渡してはいたのですが、
もっとほしい。とこちらとしては、
本当に本当にうれしいことば。
業者さんによっては、ちゃんとここの図面をみてね。
と伝えておいても、なかなか図面をみてくれないで
習慣でやってしまって、結果的にやり直しという方も
いらっしゃる中、先を見て、先をみての行動。
以前、製材屋さんで、やはり木をどうつかうか、
(表し出ない部分のみえない木についても含めて)
図面をみて考えたいとおっしゃって、展開図全部、いう方がいた。
やはりものすごくよい仕事をされている。
そんな設備やさん、外構の着工日、
家に戻ってからお電話すると既に、
基礎やさんと打ち合わせ済みで。
びっくりすると、
もうそろそろかなぁと敷地を見に行ったら、
お会いできました!とのこと。
実際の工事はこれからですが、
ここまでの対応だけでもわかる。
本当に頼りになる設備やさんです。
基礎やさんも、あの設備やさんなら、
どこでもやっていけると太鼓判をおしていました。
FAXをいれれば、いつも
届きました。ありがとうございますって。
なかなかできるものではないです。
見習わなければ!
よい方に、出会えて、本当に楽しみです。

2007.07.05
仮設電気がやっと通った。
急遽、着工が決まったため、
間に合わなかった。
でも、予定よりはやい。
みていると高い部分から、敷地内への仮設電柱へと電気をつなぐ。
時間としては、5分もない。
でも、役所からみのことは、申請にとても時間がかかる。
自分たちのことだけやると挨拶もしないで、
去っていってしまった(笑)
基礎工事は土を掘っていた。
明日大工さん、基礎屋さん共に、
水もりなのですが、
この仕事の後、次の仕事が決まっているようで、
先行している。
写真は、仮設電気の工事の様子と。
土を掘っている。
天と地、なんだかおもしろい。
最近、基礎工事が気になって近所の工事をみている。
コンクリ-トは、一定の時間をとらないと
初期強度がでない。(普通ポルトランンドセメントで3日)
その強度のでていない状態で、型枠を外し、上ものをのせている
工期優先の仕事を
何度かみかけている。
基礎幅など見栄えにも関わる部分は広くなっているようだけれど、
そういう、一般の人の気づかないところで、
いい加減な仕事になっている。
これはちょっとこわいなぁと思う。

2007.07.06
今日は、待ちに待った水盛の日。(寸法だし)
そして、今回、基礎は、分離発注のため、大工さん、基礎やさんはじめての
顔合わせの日である。
基礎屋さん、大工さんとも、共に仕事に誇りを持った方、
いい方をかえれば、がんこものどうし。
はじめは想像していたとおり、
お互いに、俺が責任もってやるといってきかない。
基礎屋さんも、ハウスメーカーさんの大工さんとの間で、大変苦労してきたみたいで、
大工の墨だしは信用できないって聞いてくれない。
今回の大工さんがいかに、寸法を大切にしているか、
大工さんの仕事をみてない基礎やさんには、わからないのは、
しょうがないと思う。
また、大工さんにおいても、今回の基礎やさんの真っ直ぐな性格や、丁寧な仕事も、
今、会って、わかれよというのは酷だと思う。
人任せで、知らないっていうよりは、
100倍もいいのだけれど。
大工さんの奥さんがお互いに、警戒心丸出しだねぇ。って声をかけてくださったので、
間にはいる。
両者とも、はじめてだし、警戒心をもって当たり前、
お互いに、勝手にやってくれというのでなく、
自ら責任をもつといってくれてうれしい。
ことを伝えて。
そうこういううちに、大工さんの息子さん(後をつがれている。基礎屋さんなど、いろいろな業種の職人さんとして、修行をして、今は、監督をされている。)が
両者の話をうまくきいてまとめてくれた。
感謝。
最後はだいぶ、おだやかなかんじになっていて。
ちょっとほっとする。
大工さん、いわく、気質(かたぎ)な人だから、大丈夫ですよ。
きれいな基礎うっている。。
基礎やさん、いわく、あういうこだわりをもったひとはいい仕事するよ。
話していればわかるんだ。。とのこと。
そして、大工さんの息子さんのことをほめていた。よくみているって。。
ものづくりは、ひとりではできない。
今日の現場をみるかぎり、大工さんの息子さんが、
工務店の社長や、基礎やさんの頭よりも、
一番、気遣いができていたな。。
若いけれど、和をつくってくれた。
棟梁というか、人の上にたつひとは、
技術だけではなく、今日の大工さんの息子さんのような
和をつなげる力が大切。
私もそれができるだろうか。
私より、10歳も若い、息子さんを見習って。
写真は外構の基礎の面とり。
こういう小さい部分に、心配りができる職人さんは、いい仕事をする。
今は、まだ、急激な乾燥をふせぐために、上部は養生をしている。

昨晩、建築の監督さんからお電話があって、
急遽、刻みの大工さんのところへ
打ち合わせにいった。
なるべくはやく、土台と基礎の関係。
アンカーボルトの位置など、決めて、
基礎やさんに戻したいとのこと。
また、いろいろ質問もあるとのことで。
中間地点で待ち合わせ。
車一台で、大工さんのところに向かうはずだったのですが、
あいかわらず、ぼーっとしている私。
ありえない、道間違えをしてしまい、
(上武道路を曲がるはずが、407!お会いしたときは、
大丈夫ですよ〜待っていますとおっしゃてくださったけれど、
お話して、慣れたあと、びっくりしました。あの道間違えるなんて!と言われました。。)
私自身、月曜日の刻み見学会の時でなくて、
よかった〜と本気で思いました。
私の方向音痴に、不安をもったのか、
行く道、曲がるところ、ほんとうに詳しく教えていただきました。
ありがとうございます。
そして、刻み大工さんと打ち合わせ。
見えがかりの母屋の寸法をどうするか、
化粧の柱の納まり、
化粧の梁の納まりなど、
話していくうちに、
とても、よく図面をみてくださっていることに、
感謝!でした。
その後、私がいた設計事務所の図面の話。
触れ角とRの好きな設計事務所だったので、
やっぱり墨付けが大変だったとのこと。
触れ角の触れ角の触れ角。
そして、勾配。建築をやっている方ならわかると思うけれど、
それを現実にしてしまうのだから、
大工さんってほんとうにすごい。
でも、軸組(縦方向)があってよかったよとおっしゃてくれた。
今回時間がなくて、書けなかったので反省。。
それと図面は手書きのほうが、いいなぁ。
とのこと。今回、全てを手書きにはできなかった。。
これまた反省。
手で書いた図面の方が
今の時代だからこそ、信頼感が生まれる気がするのは、
図面に想いをこめるという力が生まれるからでしょうか。。

2007.07.08
建築の監督Nさんと打ち合わせ。アンカーボルトの位置をなるべくはやく、基礎やさんにお知らせしたいと、群馬から、朝一にかけつけてくれた。今まで、伝統工法(安藤さんのところ。有名所ですね。)で監督をされていて、数寄屋さんにうつって、ここがはじめての現場というので、意気込みをかんじてうれしい。
建築やさんが来るのならと、設備やのIさん。
そして、今日は、他の現場にいくとおっしゃていたかしらのYさん
みなみな集まってくださった。
はじめて、もしくは、2回目の方どうしなのに、(建築、基礎、設備、電気と分離発注のため)
なんというチームワーク。
とても嬉しく思う。
今日は、スリーブを入れる日程のこと。
位置、どこをとおすかなど。
土間高さなど。
設計事務所勤務時代、
図面のどこが足りなく、何をすればわかりやすいかなど
フィールドバックが少なくて、分からないでいたことも、
みな親切に教えてくださった。
これを生かして、次の仕事をよりよいものにしていきたい。
ほんとうに、感謝です。ありがとうございます。
そして、みな長くつきあってきた者どうしのように
語り合っていた。
そして、今日、施主さんと刻みを見に行くことを
みな心得ていて、
時間だよ〜。はやくいってあげなね!と
送り出してくれた。
三者の建築談義がおもしろそうだったので、
名残おしかったけれど、
刻みも楽しみ。
施主さんも、忙しい中、
時間をつくってくださって。
できるだけ、建築の現場の
表に見えない部分でも、
たくさんの人が関わっていること。
たくさんの想いがあることを
知ってほしくて。
遠い中、
行きたい!とおっしゃてくださった施主さんの
気持ちがほんとうにうれしかった。
刻みでのことは、また明日かな。。
今日の夜は、ガス屋さんと打ち合わせ。
ホント、着工すると
どんどんすすみますね。
写真2枚目は、刻み見学が終わり、
帰りに寄った現場。
朝ついた鉄筋がもうこんなに組み上がっていた!

2007.07.09
待ちに待った施主さんとの刻み見学。
なんとお子様ふたりを幼稚園に送り出し、
お迎えまでの時間をやりくりしてくださり。
群馬桐生まで片道2時間。。一緒にいってくださった。
うれしい。
タイトな時間なので、迷わないように!
と土曜日予行練習したつもりなのに、
最後の最後の曲がるところで、
迷ってしまいました。
(ごめんなさい。)
もうほぼ刻みは終わり、
後は、大黒柱と大梁を残すところ
というかんじで、
(今は、木取りの最中で、まだここにはついていなかった。
 栗の予定。)
実際の刻んでいるところをおみせすることが
出来なかったのが本当に残念ですが、
前向きな施主さん、
ひとつひとつ、写真を
とり大工さんと会話してくださった。
感謝です。
今、ここにある木たちが、
もうすぐ、みな集まって、ひとつの家となると
思うとなんだか不思議な気がした。
ひとつひとつ、同じ木でも、木目とか色とか違うんですねという
質問に。
木も人間とおなじだから。
と大工さんが答えられていた。
育った場所でも違うし。
山でまいごになったら、
木の切り株をみるといいっていうでしょ!
って。
短い時間だったけれど、
現場に行くことができてよかった。
お迎えの時間5分前。
ぎりぎりについて。
戻り、施主さんが用意してくださった、
おにぎりとサンドウィッチ、
食べていたら、なんだか
急に、木のおうちが、
愛をしくなった。
道々、たくさんお話させていただいたからでしょうか。
また大切なこと、大切な想い。
ありがとうございます。

2007.07.10
昨日は、お施主さんと共に、
設備やさん、ガスやさんと打ち合わせ。
配管について、
ガス屋さんがおっしゃっていた言葉。
設備は水だから、危険なものではないから、
土間を通っていても、いい。
けど、ガスは、露出がいいよとのこと。
特にプロパンから都市ガスに変更の予定のある場合は、
変更しやすいような位置というのも重要だとか。
プロパンの基本料金は、高い。
けれど、設置費や、給湯器代はフリーということが多い。
それは、基本料金の中に、設置費が含まれているからで、
長くつかうと、割高になるシステム。
今回は、給湯器代などを支払うことで、
月々の料金をプロパンガス代だけということにしていただいた。
そうそう、
埼玉ってプロパン王国だそう。
プロパン率が日本一だなんて、知らなかったなぁ。
日付が変わって、
朝、現場に行くと、施主さん(ご主人も見にきていらした。)
こう、型枠が建って、鉄筋が組みたつと
大きくみえる!とびっくりされていた。
みているとご近所さんが戻ってこられた。
ここに来たときは、満開の星空だったって
おっしゃていた。
街灯ひとつでみえなくなっちゃたとか。
丁寧な職人さんですねって声をかけてくださって、
うれしかった。
現場は、どんどん進んでいる。
雨持つといいなぁ。