●ガラス戸のしかけ

ほんの短い時間だったのに、
先日の体験のことが頭から離れない。
いいものをみなさいって本当ですね。
ガラスの戸は上下逆さに持ってはダメだよ。
と教えていただいた。
それは、ガラスが落ちてしまうから。
でも、ここの建具は違いました。
ガラス戸の上框部分にこんな細工がされていました。
ガラス戸を逆さにしても落ちないような仕掛けです。
見えない部分にこの心配り、さすがですね。
この建物は、若き日の中村外二さんの施工のものなのです。
大工さんや、設計者ならご存知の棟梁さんですね。。
こういう心配りがすべての部分にされていて、
なんだか、いいものをつりたいって心が洗われる思いです。
いいものって伝わるものだと実感しました

●引手

遠山記念館に行ったとき、
建具の引き手の位置を意識的に測って見ました。
79cm
77.5cm。
67cm
等など、
同じだと思っていたのに、
少しずつ、違うということが分かりました。
ボランティアの方とお話をしていたとき、
どういう場所が低くて、
どういう場所が高かったのですか?
という質問があって。
考えてみたのです。
平均的には、77.5cmくらい。
水廻りは、高め。
外につながる部屋は低め。
障子は低め。
そんな傾向があるようにかんじました。
そして、その中にも、
引き手の形状によって違う。
たぶん。
例えば、上部が深いものであったら、上部に指がかかるので、低めに。
真ん中が深いものであったら、中心で測っているように。
また引き手の大きさ、カタチ(例えば、縦長のものや、円いもの)
によっても少しずつ違うように思いました。
ひとつひとつのことが、
人の動作や、生活、空間、
などたくさんの要素によって決められている。
そう思いました。
答えはひとつではない。
教科書的に、
何cmと選択するのではなく、
とっても、真剣に
つくられている。
木や素材、技術もそうですが、
設計自体も、昔の建物って勉強になりますね。

●ドアノブ

ドアノブ。
握るところと握らないところの
色の変化がいいな。

●鍵

上げ下げ窓の鍵
かたつむりみたいでかわいい

●簾掛

少し前になりますが、
簾掛けについて知りたくて、
ここなら、きっとあるだろうと思って、
遠山記念館にいってきました。
本を読むと、簾掛けって、
軒先と窓を結ぶ線の5対3あたりの場所にタルキから、
掛けるための金物をおろしているのですが、
例えば、軒がない場合、
どうするのだろう?
と不思議に思ったのです。
写真は、簾掛けの写真です。
大きさは30×36程の木であるのに、
こんなふうに継ぎ手、仕口がしてあってびっくりでした。
簾掛けを見ようと思って行ったのははじめてだったのですが、
こういう部分まで、こんな仕事がしてあるのですね。
すごいですね。
で。
簾掛けの位置なのですが、
それぞれでした。
軒と窓の上端を結んだ線上にあるものも、
または窓と窓の間の欄間の高さにあわせたもの。
縁側の縁にあわせたもの。
もっと近くに寄せたもの。
お茶室(ここではなく、本でみたのですが)では、
外からかける簾のための金物もありました。
正解は、個々の場所、暮らし方、
場によってちがうんだ。
そんなことをかんじました。
また、
一般的な簾の金物の位置について、
簾を製作しているところに
聞いてみました。
規格品の簾の大きさは2尺9寸。
金物の位置は、端より5寸5分の所にくるそうです。
金物の位置は、注文であれば、4寸のところなり、
つくれるそうです。
巾広いものもあるのですが、
植物からつくられるものなので、
材にかぎりがあるそうです。
規格品と注文品の金額、そんなにちがわないそうですよ。
お電話で教えていただいたところはこちらです。
工房見学ができるので、行ってみたいなと思っています。
(ぜひ、いらしてください!とのことでした)
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