●ワークショップ

その後、実際に漉かせていただきました。
 楮とお水とトロロアオイの入ったものを
 ゆすっていきます。
このゆすりかたですが、
地方によって違いがあり、
大きく揺らす場所、縦だけに揺らす場所などあって、
紙の性質が違うそうですね。
・漉いた紙を重ねていきます。
・乾燥させたものを木(松なんだそうです。木目を生かした和紙をつくっています。いいかんじですね。)
に刷毛をつかってのばしていきます。
中央から四隅へ。なかなか難しい作業です。
・天日干しをします。
ここまでが体験の範囲でした!
写真は和紙を貼っているところと干しているところです。
漉いている写真は前回のせましたので。
できあがった和紙がとどきましたが、
なんだか、桜の灰汁のせいか、
やさしい色のように思いました。
実際に使用する場合、
自分たちで貼れるように
裏打ち加工してくださっているとのこと。
設計でも取り入れたいなぁと思っています。
どうやって、どんな思いでつくられていることを
知るというのは大切なことんですね。
ありがとうございました。

●ワークショップ4

実際の体験の様子です。
・楮を水につけてやわらかくしていただいたものを、
 灰汁をいれて煮てくださいました。
・やわらかく煮た
楮にトロロアオイを加えます。
・そしてたたきます。
このたたく作業は、子供の仕事だったそうです。
(今は、機械でたたいているそうです。)
これ、結構の重労働でした。
腰が痛くなりそうです。
叩いては練って。。とおもちつきみたいでした。
・繊維が分解できたものを水にとかし、
 まぜます。

●ワークショップ3

原料の楮のお話もお聞きしました。
日本の楮の産地は、
主に高知と那須。
輸入しているものはタイが多いそうです。
楮の性質は、
土地によっても違うそうで、
タイのものなどは落葉しないで、
葉が落ちないので、葉ごと苛性ソーダーをつかって煮ているのだとか。。
また農薬や、水質汚濁などの問題もあるそうですね。
先日たまたま、
インターネットで土佐和紙として、高知で和紙を売っていると名乗っている会社の
パンフレットを読んでいましたら、
高知は楮の産地です。。と表記しながら、
別紙に、ここの和紙はケナフを50%云々と書かれていありました。
嘘はないですが、(ケナフの割合が多くても和紙と名乗った勝ちということでいえば)
ぱっとみると、、高知産の楮をつかっているふうに
勘違いしそうな表記で,
高知にあるところだからといって、
高知の楮をつかっているわけではない!とかんじたばかりです。
また、私たちがつくっていますという顔写真があったりして、
(パンフレットには、機械漉きと書かれていました)
なんだか、手漉きと勘違いしそうだなぁと思いました。
・・というより勘違いされていた人がいらしたので!!
勘違いしないためにも、手漉きって実際どうやって、
漉いているのかなど、知ることも大切ですよね。
原料を追求していくと、
和紙=自然系でもないこと。
だからこそ、
創っている人に実際に会い、
顔をみえる状態で取り入れるということって
大切だと思いました。

●ワークショップ2

環境と和紙について
和紙の材料は、楮などの木の皮をつかいます。
その楮ですが、1〜3年で元に戻る、成長の早い木なんだそうです。
また木の皮なので、やわらかく、
強い薬品をつかわないで煮ることができるので、
環境によいとされているそうなのですが、
先程、説明をしてくださったように、煮方もいろいろ(以下に書きました)、
和紙の定義が広いので、
和紙の中には環境によいものがある。。といったほうがよさそうですね。
楮は
桑ににているのですが、
触ってみるとずっと肉厚でした。。
・・ちなみに桑も紙にできるそうです。
また和紙を煮るときにつかう灰汁は
土壌改良に使用できたり、
楮の皮をむいた後の木は、
焚きつけがよく、お風呂を沸かすなどに
役にたつなど、循環型な生活が成り立っていたそうです。
やわらかく煮るために
灰汁というものを使用する。。と書きましたが、
現代では、灰汁ではなく、
苛性ソーダや、
ソーダ灰などを使用しているところが多いそうです。
苛性ソーダは強い薬品で、購入するのに、
手続きが必要なものですね。
染色の世界でも、
草木は天然でも、薬品は。。と
問題になっているようです。
ここでは、
地産池消を目指して
近くにあるベーコンのおみせ、あーちゃんでスモークにつかっている
桜の灰汁を使用しているそうです。
後で実習のときに匂いをかぎましたが、
草木染めのときの桜の木の匂いと一緒。
甘い香りがしました。
びっくりでした。
染色では、田んぼの上澄の灰汁を
利用されているのをみたころがあります。
和紙に適しているのは、
ヨモギや、ソバガラといわれているそうですが、
桜もなかなかよい!とのことです。
植物の種類によって、
和紙の色も微妙に変わる。。とのことでした。
なんだかいいですね。。

●ワークショップ

先日、このブログで紹介させていただいた小川にある久保田昌太郎和紙工房さんで、
和紙についての講義と体験をさせていただきました。
そのときのようすをupしたいと思います。
まずは和紙のの定義について。。
実はない。。そうなんです。
これは、他の方もおしゃっていましたね。
今の世間だと名乗ったもの勝ちというふうになっているそうです。
(こだわっている方は手漉きで流し漉きのもので、国産の楮や三椏などを使用しているものを
和紙と呼んでいるそうです。。)
明治、大正時代に、
洋紙というものが入ってきて、
和紙をつくるための技術として、取り入れていったために、
パルプが多いものでも、機械漉きのものでも、
名乗ったものがちで、和紙といっている。。そんな状況にあるようです。
流し漉きというのは、日本独特の方法だそうで、
トロロアオイをつかい薄くて丈夫な和紙が漉けるとのこと。
大陸では溜漉きという方法をとっているそうです。。
また機械漉きにも
いろいろな範囲があって、水を汲んで流す作業を機械でやり、
上から水を流したり、
ベルトコンベアで漉いたりとしているそうで。。なんだか違うものみたいですね。
そして最新の技術では、機械漉きでも、
耳をつけたり、簾の後や、刷毛目後をつけたりと、、
手漉き風の技術が発達して、見分けがつかないほどなんだそうです。。
でも、心がはいるかどうか。。っていう要素は大きく違いますよね。
(また次回以降にのべますが、機械漉きの場合、薬品の使用量が増えることが多いそうです。)
この話をお聞きして、簡単に和紙って呼べないなぁと
反対に思ってしまいました。。
写真は楮です。
肉厚な葉をしていました。

●和紙の工房を訪ねる3

漉いた和紙は
そして、どんどん重ねておきます。
そこにはトロロアオイというトロっとしたものがはいっていることで
一枚の紙になり、また消えてしまうものなので
くっつかないんだそうです。
そして、30分に一度、材料を練って、
他の職人さんが紙の乾燥をされていました。
うれしかったのは、施主さんの小学生のお子さんが
目をまん丸にしてみていたこと。
とっても腕白な元気な男の子なので、
じっとしていられるかな?
なんていう大人の心配は無用。
身を乗り出して、
みて、体を一緒に動かしていました。
子供って、
すごいものなんなんだなぁと
思います。
おもしろかったのか、
何かをかんじているのだと思います。
そして壁紙なのですが、
こちらでは、
壁紙として貼りやすいように、
裏打ちも1枚につき+300円でしてくださります。
90×60の和紙。。200円のものでしたら、
1枚、500円という価格です。
びっくりするくらいお安いですよね。。
これが問屋さんを通して東京等のお店にでるときは、
1000円〜1500円していますものね。
ちなみに、
真っ白い和紙は塩素系で漂白しているものなんだそうです。
買った当時は白くても、後に塩素がでてきたり、
黄ばんできます。
けれど、不思議なんですが、
楮の手漉きの和紙は、日がたつにつれて、白く
きれいな色になるんです。
天然のものって不思議ですよね。

●和紙の工房を訪ねる2

その日は、ちょうど、染紙を漉いているところで、
その様子を見学させていただきました。(要予約です)
(今回は、化学染料で染められていました。注文があって、
 本につかわれるもを漉いているとのことでした。)
和紙の原料がはいった船に、
写真のようなすだれ状のものを手早く動かし、
あっという間に漉いていきます。
ここのは90×60サイズが2枚一度に漉けるそうです。
上から竿みたいなものでつっているから、見た目よりは
軽いそうですが。。大変そうですね。
このすだれ上のものですが、
節から節間(30cmくらいのもの)を、
絹糸で結わいてつくっていったものだそうですが、
とてもきれいです。
そして、このすだれをつくる専門の職人さんが、
今はいらしゃるそうですが、
少なくなっており、
このすだれがないと
手漉き和紙は成り立たないし、
つづけてられるかという
いろいろな伝統的なものにある問題に、
こちらも直面しているようです。

●和紙の工房を訪ねる1

2008.08.03
施主さんと、
壁紙として貼る和紙を買いに
埼玉、小川にある
久保昌太郎和紙工房さんを訪れました。
http://homepage2.nifty.com/ogawa_washi/
こちらは無添加和紙を試みたりと、
製造過程に関わる薬品にこだわっていたり、
また、何がどうつかわれているかをオープンにしています。
その、無添加和紙ですが、
冬のみしかつくれないそうです。
夏場は和紙を梳くときにいれる
トロロアオイが腐ってしまうんだそうです。。
トロロアオイをいれることで、
和紙がスダレ上のもののうえで固まり、
またトロロアオイの粘り気は消えてしまうものなので、
梳いた和紙を重ねてもくっつかないそうなんです。
植物のそういう性質を利用しているなんて、
すごいですよね。
以前は、和紙づくりは、
農業等との兼業だったため、冬だけの作業でした。
今、専業でやる場合、このトロロアオイが腐ってしまうという
問題に直面するようです。
また楮を煮るときにも、灰汁をつかう、ソ−ダ灰をつかう、
苛性ソ−ダを使うなど、いろいろな方法があります。
ちなみに苛性ソ−ダは、ソ−ダ灰よりも強い薬品です。
灰についても、
昔はカマドなど生活に普通にでてきた灰を利用していたそうです。
むいているのはヨモギなんだそうです。
おもしろいですね。
和紙といっても製造過程をきちんとしていないと
途中で化学薬品が大量につかわれていたり
してしまうのですね。詳しくは久保田昌太郎和紙工房さんのHP上のコラムをお読みください。)
など、こだわった和紙つくりをされています。
無添加でないものでも、どんな材を
どんな薬品をいれているかなど、
確認することもできますし、
材や、薬品を相談して漉いていただくこともできます。

●小川の和紙

手鋤体験をしたときの和紙です。

産地ものの和紙って高いって思い込んでいた。
でも違うみたい。
東京やメーカーで買うよりも
ずっと安い。
半額とか、1/3とか。。
問屋さんまで行くともっと安いらしいけれど、
造り手の顔もみられるし。
近くに産地があるのだから、
建築にも取り入れられたらいいなぁ。

●江戸からかみ

桐 昔からの文様ですね。

この文様の柿渋の経年変化したものがキレイ

波 銀は、経年変化を楽しみ、金色は、そのままを楽しむそうです。

江戸からかみ。襖紙にしても、壁紙としてもいい。東京松屋には、江戸時代から伝わる桂の版木もありました。。