●だるま釜 釜焚き 準備2

達磨釜の本焚きに備えて、
夜まで火が持つように、土でふたをして、空気量を調整します。
そのときの土は、瓦を砕いたものと土をまぜたものを
土の入れ物。。名前忘れてしまいました。すみません。。
(繰り返すうちに、自然にできてきたものなのでしょうか?)で練っています。
この部分は、昔は地面と同じ高さだったそうですが、
今はこんなに高い位置になってしまったそうです。
釜に鉄板のフタをして、間を土で埋めていきます。
でも全部ではなく、空気穴を残して、火加減を調整します。
4方向、調整していきます。
これで、準備段階は終了です。
今は、火も、
このくらいだとまだ熱いけれど、釜口まで近寄れます。
小さいころのキャンプファイヤーの焚き火のような
なつかしいかんじがします。
それにしても、火って癒されますね。
忙しく薪をくべる五十嵐さんのお手伝いもせず(ごめんなさい。)
ただずっとみていました。
実は、今まで、瓦は焼くものだと思っていたのですが、
焚くものだということがわかりました。
釜焚きって五十嵐さんは、
おしゃっていましたが、
実際みて、そうかんじました。
瓦を火にいれて焼くというより、
瓦の廻りの広い部分を燃やして、
焚き上げていく。
炭焼きだとか、
ご飯を焚くというほうに近いかもしれませんね。

●だるま釜 釜焚き

藤岡の共和建材さんの五十嵐さんに、
達磨釜の釜焚きの様子をみさせていただきました。
達磨釜は昔から伝わる瓦を焚く方法です。
瓦の材料の土も重いし、瓦自体も重いこともあって、
瓦はその土地の土で、その場所でつくられ、その場所で葺かれていました。
そのことで、その土地ならでの味わいがある、
だけれどバラバラでない美しい風景が成り立ってたのだと思います。
釜焚きは夜の1時半からはじまるとお聞きしていたのですが、
私が着いた15時には、もうすでに、ゆっくりと燃え始めていました。
まだ達磨釜はいつもの穏やかな表情をしています。
本番がはじまる夜まで燃え続けるように、
夕方の6時くらいまで、
薪をたし、調整します。
薪は最後の仕上げようの薄くひいた乾燥した松を残し、
くべていきます。
この時期、チャドクガがついている木があったりして、
つらそうでした。
そして、夜まで火が持つように、土でふたをして、空気量を調整します。

●甘楽商店

瓦の小林保さんの自邸でもある甘楽商店の
2階にのぼると五十嵐さんの屋根を近くからみることができます。
敷き瓦もまた五十嵐さんものもです。
この目地なしもすごくきれいなのですが、
焼かれたかわらなりがいいと思うとおしゃっていました。
何といえばよいのか。
美しいです。

●柏屋

藤岡の五十嵐さんの工場近くに、
五十嵐さんの瓦をつかわれた建物があります。
色あいがいいですね。
なまこ壁も、瓦が大切なんだなと
思いました。
友人に言われてきづいたのですが、
瓦が既製品のものだと左官も生きませんよね。
柏屋旅館〜蔵 “柏屋四郎右衛門”〜
http://www7.wind.ne.jp/kashiwaya/Hp2/shiroemon.htm

●いろいろな瓦

五十嵐さんのところでみかけた瓦です。
1枚目はぽんと置かれていました。
なんだかいい顔です。
鬼瓦。これは古代鬼面でしょうか。

●かつおぶし

屋根にのる瓦とのしの間はふつう
漆喰でうめられていますよね。
でも、最近の既調合の漆喰では、もたないとのことで、
瓦で、造られていました。
そのカタチがかつおぶしににているので、
鰹節面戸というそうです。
みなの前でつくってみせてくださいました。
屋根にのぼって勾配を測り
型紙をつくったもので、
瓦土をくりぬきます。
そして、1枚、1枚、屋根勾配にあうように、
勾配なりに面をとっていかれました。
確かに、屋根には勾配がありますから、
この作業がないと、
屋根屋さんは、焼き上げた硬い瓦を
後にけずらなくてはいけなくて、大変ですね。
でも、この作業、機械ではできないものでもあるのですね。
写真の瓦が白いのは、白い土を釉薬としてかけて磨いているからだそうです。
土に土で化粧をしているのですね。
写真2枚目でわかるでしょうか?
五十嵐さんの造る瓦は共和建材さんの刻印がされています。

●瓦のつくりかた。

土である瓦の工場もみせていただきました。
真空土練機で、粘土を練った後、
写真のような機械を通って、
おおまかなカタチに整形されます。
機械といっても、とっても、シンプルなんですね。
ものをつくる道具って、
道具自体も美しいと思うのですが、
そんなかんじですね。
そして、機械からでた、瓦を
1枚、1枚、瓦台にのせて整形していきます。
たたいて、撫でて、約30秒、
まさに職人技というかんじの
あっという間の作業でした。
その台のもち手部分は人の手の形に変形しています。
写真でわかるでしょうか。。
桜の木とおしゃっていました。
そして、瓦をたたく木の棒も
人の手なりに窪んでいました。
今つかっているものは、
正田醤油のときにおろした新しいものと
おしゃっていましたが、
もうすでに、指型にへこんでいました。
なんだかすごいです。
重要文化財関係の方が、
視察にこられるそうですが、
現役で、瓦がつくられつづけること、
つながっていってほしいと思います。

●瓦は土からできている

あたりまえのようなことだけれど。
瓦は土からできている。
五十嵐さんのところに行くといつもそう思います。
屋根の上にのっている瓦は、
いぶされて、いぶし色になっていたり、
釉薬がかかっていたり、
また工場生産されたものは、
均一で、なんだか、土の印象から遠い。
でも、もともとは土なんだと。
整形されて、天日干しをしている瓦たちは、
土色をしている。
この天日している間も、五十嵐さんは
ラジオなどききながら、
お天気・・瓦のことを気にしているそうです。
なんだか親が子を気にしているみたいですね。
この土は、地元、藤岡の土。
昔は、1mもほれば、どこでもとれたものだそうです。
そういえば、
園芸用の土などを
自転車で買いにいったこと、ありますか?
なかなか重いものですよね。
この重たさの土を、お天気にあわせて移動たする、
釜にいれる。。など、
かなりの重労働だと思いますし、
だからこそ、瓦の産地は日本全国あちこちにあり、
近くで焼かれ、葺かれていたのでしょうね。
そして
その土地でとれた土で焼かれていたから、
それぞれの日本の街並みというのも、
生まれていたのでしょうね。

●達磨釜

藤岡の達磨釜の
五十嵐さんのところに行って来ました。
写真は達磨釜です。
ととろみたいなカタチをしていますね。
これで、瓦を焼いています。
30年ほどまえ、釜を造る職人さんといっしょに、
釜をつくられ、
修理されながら、今もつかっているとおしゃっていました。
昨日は、炊き出しが終わったところで、
少しづつ、水をたして、ゆっくり温度をさましているところだそうです。
昨日の釜の温度は700度くらい、
1週間以上かけて、温度を下げていくそうです。
一晩置くと、300度くらいになるそうで、
その状況の中、釜から瓦を取り出していくそうです。
五十嵐さんは、笑いながら、
ちりちりになっちゃうなんておしゃっていましたが、
想像できない温度ですよねぇ。
写真2枚目は取り出す棒です。
炊き出しは、12時間かかり、
つきっきりでおられるそうで、
夏場は、一日で、3キロほどやせられてしまうのだとか。。
何度きても、
五十嵐さんの瓦づくりには、
頭がさがります。

●鬼瓦教室3

先生の作品です。

トラックにのってはこばれていきます

鬼瓦教室のレポ
つづきです。
⑦先生がつくられたものです。
  美しいですね。
  
 目をあけるのが怖くて、あけていただきました。
⑧最後にトラックにのっているところです。
釜にいれて、焼いていただきます。
こうそろうとみなそれぞれ違う顔をしていておもしろいですね。
春になったらできるそうです。