●中塗り土

中塗りの土

普段目にすることのない
中塗り用の土。
埼玉の深谷のものだとか。
この土は良質で、固くて仕上げにもつかえるので
いい部分はとっておくとかおっしゃていました。
ちなみに隅に写っているのは、深草の洗い出しです。
土ってきれいですよね。
湯田さんの愛情があるからでしょうか?

●自然は完璧じゃない

土壁につかわれる竹

中塗の壁

木の建築塾 左官
美しいかべをつくられる
湯田さんが繰り返し言っていた言葉。
自然は完璧でない
それぞれに性質もちがうし
急激な冷暖房に、
ひび割れもする。
時間もかかる。
あたりまえだけど
完璧じゃないということを
ふまえて、
これがいいという選択をする。
大切なことですね。
現代の名工といわれる
湯田さんの謙虚なことばが身にしみました。

●5厘でそろえる

5厘でそろえる

壁仕上げにはいろいろな表情があります。
なんともいえないやさしい表情。
この粒、そろっていると思いませんか?
5厘でそろえるとおっしゃていたので、
ふるいで、5厘より大きいものをのぞいているのだと思っていたら、
さらにふるいをかけ、5厘より小さいものも
のぞいているそうです。
その手間が美しいかべをつくっているのですね。
びっくりしてしまいました。

●とんぼ。のれん。和紙

とんぼ のれん 和紙

左官でつかうものたちです。
隅のひび割れ防止に とんぼ のれん。
和紙は、繊細な角をだすとき、型としてつかったり、
大津壁の時にいれたりするそうです。
美しいかべをつくる仲間達ですね。

●土いろいろ

すべて土です。

稲荷

(木の建築塾 左官)
もってきてくださった土の写真です。
これみんな土なんですよ!
みえない部分にこんなきれいなものが埋まっているなんて、
すごいですね。
ひとき大きい塊が珪藻土です。
珪藻土はさわってみるととても軽いです。
珪藻土を固めるためには、
それ自身で固まる力がないため、
白土をいれたりしなければなりません。
メ−カ−のものは、土を焼いて、
化学物質をいれて固めていることが多いそうです。
土は、焼いてしまうと死んでしまう。
そう湯田さんはおっしゃていました。
職人さんの手から生まれたことば、
私はほんとうなんじゃないかなと思っています。
黄色いのが京都の稲荷。
京都の土は塗りやすいものが多いそうです。
器となっているのが錆び土です。
土の色ってきれいですね。

●土壁の工程

工程がわかるパネル

(木の建築塾 左官 湯田さんのお話から)
小舞のお話の次は土壁の工程です。
土をねかして、
荒壁をぬって。。と
説明してくださいました。
写真はその工程のパネルです。
わかりやすいですね。
ひび割れやすきを防止するための
のれん、やちりとんぼもみることができました。
でも、こういう丁寧な仕事をするときは、
時間をかけること。
中塗りをしてから、3〜5年、
たってから、上塗りをすること。
そうでなければ、下地の意味も生かされないそんな
お話をしてくださいました。
それにしても、
美しいかべの下地なるものは、
本当にきれいですね。
(この現場は中塗りの状態です。今後、上塗りを予定。。
また中塗り切りかえし?(名前がちがうかもしれません))といったような
中塗りで仕上げるような工法もあるそうです。
講座の後、湯田さんとお話をさせていただいたのですが、
人が住む場所だったら、仕上げをしないで、
中塗りのほうが、
やさしいよね。。そうおっしゃていました。
たしかに、きれいすぎるものより
ここちいい
土に近いかんじが中塗にはありますね。

●小舞いろいろ2

真壁小舞

簾小舞

蔵小舞

小舞のお話のつづきです。
写真一番上は、お茶室につかわれる小舞。真壁木舞です。
貫4寸の中におさめなければいけないので、竹を割ってつくった上等の仕上げだそうです。
貫部分は通さないでとめる方法と、組む方法があるそうです。
編んでいるものは、麻。薄くて、強い壁をつくる工夫がされているそうです。
写真2枚目は、簾小舞
簾でつくってありました。
お茶室の天井などでつかわれるそうです。
お茶室の天井は低くて。上から土をいれて、
風合いのあるものとなるそうですね。
写真3枚目は、蔵小舞。迫力がありました。
名前の通り蔵をつくる小舞です。蔵の壁の厚さは、30cmにもなるので、
どろだんごをつけて、縄でしばってを繰り返しつくるそうで、下地の泥づけだけでも、
2間×3間の蔵でも、50人工もかかるそうです。
壁も、天井もつながってひとつものとなるそうです。
棕櫚縄であんでありました。
小舞だけでも、たくさんありますね。
大工さんが木舞としてつくっているというお話も
聞いたことがあります。
左官は奥が深い!

●小舞いろいろ

並小舞

縦四ツ木舞

総四ツ木舞

木の建築塾
左官 土壁の勉強会が行われた。
講師は、現代の名工である湯田さん。
たくさんのお話を聞くことができました。
写真UPする関係もあって、いくつかにわけて、
UPさせていただきました。
まずは、下地となる木舞のお話。
昭和35年頃、ラスボードがでるまで、下地といえば、
小舞か木摺だったそうですね。
当時は小舞やさんという職業もあったのだとか。
小舞も、建物の用途や、グレードによっていろいろあったそうです。
写真一番上は、並小舞、アパートや、賃貸住宅でつかわれていたもの。シノ竹でつくられており、弱いので粘土質の強い土壁には向かず、隅田川のヘドロなどを塗っていたなんて話も聞いたことがあるそうです。。それは、ちょっといやですねぇ(笑)
写真2番目は、縦四ツ木舞。縦に女竹を使用しています。ふつうの仕様になるのでしょうか?
         
写真3番目は、総4つ。縦にも横にも、男竹を使用しています。縦四ツよりグレードのいい仕上げだそうです。
竹ももってきてくださいました。
シノ竹と女竹と、男竹(真竹)
シノは細い竹ですね。
女竹は男竹より肉厚が薄く、割れやすいけれど、施工しやすいそうです。
ちなみに竹の切り旬は11月から1月。3年ものがよいそうです。

●泥団子

どろだんご

沖縄の土による泥だんご。
この紅も天然の色なんです。

湯田さんの見本。

泥壁のワークショップで左官の湯田さんがもってこられた
見本。
左上 沖縄土
右上 土佐漆喰おさえ
左中 土佐漆喰 アラシ
右中 中塗り(上尾の土)
左下 漆喰深草たたき
右下 型枠をつかった文様。
土って、左官ってこんなにもできる。
この枠も、土(漆喰で)つくられたそうです。